精神科医みそのれいの「失敗しない男選び」

男選びに失敗しまくる貴女のために

唾を吐きかけられても許せる男

日が経つにつれ、奥村君の勢いが増している。顧客の脳に残る山口君の面影を完全にかき消す勢いだ。彼には申し訳ないが、当初私は奥村君をみくびっていた。さすがに、どんな男の子が現れたとしても、あの山口君を凌駕するなど不可能と思われた。奥村君、本当にごめんなさい。私の予想は見事に外れた。

山口君はオールラウンダーだった。それに対し奥村君は唯一の長所で勝負するタイプだ。今風に言うなら「とがった人材」だ。山口真由氏の説明だと「特定の分野において誰かの心に爪痕を残すような、確かな力を持つ人」となる。

安定して成長を続ける社会においては、オールラウンダーは重宝されるが、今のような激動の時代にはとがった人材がチャンスを切り開くと言う。残念ながら私自身もオールラウンダーの類なので、奥村君には及ばない。

山口君も奥村君も共に「リーダー」タイプだが、例えるなら山口君は豊臣秀吉徳川家康を足して二で割った感じで、奥村君は、織田信長豊臣秀吉を二で割った感じ。山口君は「腕白」、奥村君は「やんちゃ」だ。それぞれお父さん譲りなのだろう。そろそろ奥村君のお父上にもご挨拶に上がらねばならない。

山口君のスケールのデカさは天下一品だと思っていたが、奥村君の破天荒ぶりはそれとは全く違った味わいがある。私の高校時代の親友が奥村君を買った直後にメールしてきた内容がこれだ。

唾をペッ!と吐き捨てられても許せる男。いや、許せるじゃなく、むしろ「そうして欲しい」と懇願させるイカれ野郎。(彼の唾液とっても美味しかった)

彼の中から出るものは、例え唾であろうと、決して「汚いもの」として認識されないということだ。やっぱり「破格」とか「破天荒」という形容が似合う、奥村君はそういう男だ。