精神科医みそのれいの「失敗しない男選び」

男選びに失敗しまくる貴女のために

女が山口君奥村君を手放せない理由

仮に彼氏や夫がいたとしても、ふたりで無人島にでもしけこまない限り、必ず他のカッコいい男が登場する。

そして登場した男が今彼や夫より魅力的なら、賢い女はあっさり乗り換える。この世は弱肉強食。男女関係にも資本主義がゴリゴリに効いているのだ。

このように浮気や破局はほとんどの男女に必ず訪れる。

しかし忘れてはならないのは、一部その論理が通用しない男がいるということだ。他の男が現れようとどうしようと、絶対に負けない男がいる。山口君や奥村君はまさにその種類の男である。

絶対に負けないための条件は、抜群のアイデンティティが確立していることである。資本主義の言葉で言えば「他の有象無象と完全に差別化できる」自分を確立しているということだ。

山口君も奥村君も、見た目も行動も当然頭の中身も、独特であり、特殊であり、人によっては「イカれた野郎」と揶揄する者すらいるが、彼らにとって「イカれた野郎」と言われることすら快感なのだ。大多数が否定的に受け取る言葉すら、彼らにとっては肯定なのである。

私たちキャリア女性からすれば、山口君や奥村君を振る女の方が「イカれて」いるとしか思えない。

彼らほどのアイデンティティともなると、よほど頭の弱い女でもない限り「他で代用など絶対効かない」ことくらいすぐわかるはずである。似たような男などどこにもいないからである。つまり浮気しようにもできないということである。

人は積極的に自ら選んだ選択を、うっかり手放したりなど、絶対しないように脳みそができている。うっかり手放すということは、大してちゃんと選んでいないということの証なのだ。

山口君も奥村君も女性に無防備無頓着である。女のケツを追いかけたり、執拗に誘ったり、気を引くために媚びたり、といった下衆な真似を絶対しない。

そういう時間やエネルギーの浪費を一切せず、今すべきことに優先的に時間とエネルギーを投入するという習慣をとっくに身につけている。だから女性に無防備無頓着でいられるのだ。

そういう姿こそが女を魅了するということを、世の大多数の男は知らねばならない。マンションや車などの「所有物」でアイデンティティを誇示する時代はバブルとともに砕け散った。今はリンダグラットンの言うように「体験」で差をつける時代である。

ここではっきり「人生をかけて没頭できるものを持っている男と持っていない男」の差が出る。