女の方から会いたいと言わせる男
東京の娼年は全員、女の方から会いたいと言わせるスキルを身につけている。逆に言えばそのくらいできなければ客から1時間10万円以上の報酬を引っ張り出すなど無理である。
例えばエース奥村君。自分の方から女を誘うような無粋な真似は絶対にしないと宣言している。そして会っても「エッチは絶対しない」と釘を刺す。なぜか。
この理由がわからないようでは、1時間10万円20万円と客から引っ張り出す東京の娼年には逆立ちしてもなれない。この理由はメンタリストダイゴがしょっちゅう使用している「簡単なテクニック」だからである。
エース奥村君でなくてもいい。ついこないだまで高校生だった、この4月から大学1年生になった福ちゃん(通称デブフク)を例にあげれば、福ちゃんは野球部でも体重が100キロ超あるため、俗世では「デブ」の部類に分類される。(実は然るべきトレーニングをしているのでデブではないのだが)
ところが福ちゃんは「出会い系の天才」と異名をとっている。どういうことかというと、真っ黒に日焼けしまん丸顔の100キロの野球小僧のくせに、出会い系では100戦100勝、会えないことは絶対ないというのである。これもメンタリストダイゴのテクニックと同じである。
メンタリストダイゴのテクニックの基本は、相手に選ばせる、である。
福ちゃんの方から「会おうよ」だの「会いたい」だの絶対に言わない。向こうから、女の方から「会いたい」と言ってくるのである。正確に言えば、女の方から「会いたい」と福ちゃんが「言わせている」のだ。福ちゃんが、女をして、自分を「選ばせている」のである。
こう言った心理学的スキルは、資本主義で結果を出すための強力な武器となる。当たり前だが。客に選んでもらう、ではなく「客に選ばせる」が可能となるからである。