精神科医みそのれいの「失敗しない男選び」

男選びに失敗しまくる貴女のために

自己肯定感抜群の男を選ぶ理由①

これまで何度も「自己肯定感が健全に成熟した」男しか選んではいけないと述べてきた。理由は論文が1本かけてしまうほどある。中でも大事なのは、自己肯定感が健全に成熟した男は、人間関係に極めてオープンであることだ。例えば、その日知り合ったばかりの男(ヤリたいだけの理由で異性を泊めるのではない)を自分の部屋に泊めることができる程、と言えばわかりやすいだろうか。

アホな男はその日知り合ったばかりの女は自分の部屋にあげることができても、男をあげるなんて「怖くて」できないだろう。この根拠なき不安というのが、自己肯定感が未熟である証拠である。

自己肯定感というのは、不測の事態が起こっても自分で対処できるという揺るぎない自信がある状態のことを言う。つまり、見知らぬ人を疑ってかかる必要がないということだ。これは社会生活を送る上でものすごいアドバンテージである。

引退した山口君に老若男女問わずさまざまな人びとが大金を投じた理由が、この「人にオープンな性質」である。会った瞬間から「他人のような気にさせない」「なぜか随分前から友達だったような気にさせる」能力がずば抜けていた。そもそもADHDには陽気な人が多いものだが、山口君はまさにそのADHDの恵みである陽気さをフル活用し「価値」への変換に成功した男の子である。

毎年5月の今頃になると私は胸がしめつけられる。

4年前、私が初めて山口君と出会ったのが5月だったからである。表参道で唐突に声をかけた私に、山口君は最初からオープンだった。九州の田舎から上京してきたばかりの18歳の男の子である。何度も言うが、その時の彼はまるで部活帰りの高校生のようだった。そもそも人に声をかけるのが得意な私は、さらっと声をかけ、裸を見せて欲しいと頼んだ。

普通なら、頭のおかしい女と思うだろう。100人いたら99人、いや、1000人いたら999人が、怪訝な顔して通り過ぎたに違いない。いくら私が相応の美人でも。原宿で見知らぬ男に向かって「裸を見せて欲しい」などと言うのは狂人と思われても仕方がないと、言っている私が認めるくらい風変わりなリクエストである。

その時山口君は、今と変わらぬ笑顔で、ニコニコして、頬をわずかに赤く染めて、

いいっすよ。ここで、脱げばいいすか。

と言ったのだ。

彼は原宿のど真ん中で裸になれるほど体に自信があったのだろう。それくらい毎日必ず鍛えてきたに違いない。そして、恥ずかしいという面倒くさい気持ちもなかったのだろう。

「見たい」と言う人は好意的だから「見たい」と言う。だから恥ずかしがる必要などない、というシンプルな真理を彼はとっくに理解していたのだ。大の大人1000人のうち999人が理解できていない真理を、彼は誰に教わることなく良質な教育の中でちゃんと理解していた。