精神科医みそのれいの「失敗しない男選び」

男選びに失敗しまくる貴女のために

自己肯定感抜群の男を選ぶ理由②

山口君の秘蔵っ子「デブフク」こと福ちゃんも、自己肯定感抜群の男の子だ。

福ちゃんが高校1年の時、部活帰りに時々立ち寄る銭湯で偶然山口君と出会った。

その先頭は湯船がそれほど大きくないこじんまりした銭湯らしく、山口君が大股開きでくつろいでしまうと、他入れても1人か2人といったキャパシティのところ、既に山口君をいれ3人浸かっていたらしい。

福ちゃんは、湯船の手前まできて一瞬足を止め、入る場所ないじゃんかよ!と思ったかどうか知らないが、次の瞬間、大股開いている山口君の足と足の間に、

ちゃっす!

と言って入ってきたというのだ!!!これはすごいと思う。山口君は、顔は可愛らしいけれど、体は相当にゴツく、格闘家か何かに見える風貌である。福ちゃんにしてみれば見知らぬ年上のゴツい大人の男である。それを、

ちゃっす!

と言って、よりによって足と足の間に入り込んでしまうというのが大器の片鱗を既に覗かせていたというところだろうか。そして福ちゃんの方から、山口君にこう言ったそうである。

兄貴、めっちゃすごい体してますね!!!

「あにき」である。見知らぬ、大人の、格闘家に見える、山口君に、高校1年生が、「あにき」と言ったというのだ。

山口君は福ちゃんに自分の素性を自己紹介し、その日のうちに福ちゃんは山口君の家に泊まりにきたそうである。これもすごい。なぜか。

普通、親が許さないからである。仮に息子がそうしたいと言っても、過保護で心配性な親は必ずダメと言う。

ところが福ちゃんの親は違っていた。福ちゃんが銭湯で知り合ったばかりの見知らぬ男の家に泊まることをすんなり了承したのである。なぜか。正常に子離れできている親だからである。発達心理学的に言えば、中学を卒業した息子の選択に親がああだこうだ言うのは間違いとされている。親がやかましく介入する時期は中学卒業までとされているのだ。

ちゃんと子離れできている親だからこそ、福ちゃんは既に親離れし、自分の判断に自信を持ち、自分のしたいように行動できていた。高校一年生の時点で、自己肯定感は随分と健全な成熟を遂げていたのだ。